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クレジットカードで現金を借りる「キャッシング」と、カードローン。どちらもお金を借りるサービスですが、借りる相手も、契約も、ルールも違います。混同したまま申し込むと、思わぬところで上限に当たります。
結論:総量規制の扱いが分かれ目
最大の違いは、総量規制(年収の3分の1までという制限)がかかるかどうかです。キャッシングはカード会社が貸金業者として行う貸付なので対象。カードローンは、相手が消費者金融なら対象、銀行なら対象外です。
| 項目 | キャッシング | カードローン |
|---|---|---|
| 借りる相手 | クレジットカード会社 | 消費者金融・銀行 |
| 契約 | カード作成時に付帯 | 借入専用の契約 |
| 総量規制 | 対象 | 消費者金融は対象/銀行は対象外 |
| 金利の上限 | 年15〜20% | 年15〜20% |
| 借り方 | ATM・振込 | ATM・振込・アプリ |
| 返済額の指定 | 決まっていることが多い | コースから選べる |
借りる相手と契約が違う
キャッシングは、クレジットカードに付いている借入枠を使うものです。カードを作るときに一緒に設定され、カード1枚でATMから借りられます。別途の契約書にサインする必要はありません。
カードローンは、借入のための専用契約です。消費者金融のほか、銀行も扱っています。審査を受けて限度額が決まり、カードが発行され、返済用の口座とセットになるのが一般的です。
この違いは、審査の内容にも表れます。キャッシングはカードの入会審査の一部として借入枠が決まりますが、カードローンは借入を前提とした審査が行われます。
総量規制の扱いが分かれる
キャッシングは、クレジットカード会社が貸金業者として行う貸付なので、総量規制の対象です。年収の3分の1を超える借入はできません。
カードローンは、借りる相手が貸金業者か銀行かで変わります。消費者金融のカードローンは総量規制の対象、銀行のカードローンは対象外です。銀行は貸金業者ではないためです。
ここで注意したいのは、対象外の銀行カードローンは、総量規制の判定に含まれないという点です。消費者金融で上限まで借りていても、銀行の審査が通れば借りられる可能性があります。ただし銀行も自社の審査で限度額を決めるため、必ず借りられるわけではありません。
総量規制の詳しい仕組みは総量規制とはで解説しています。
金利の上限は同じ
利息制限法では、借入額に応じて上限金利が定められています。キャッシングでもカードローンでも同じです。
| 元本の額 | 上限金利 |
|---|---|
| 10万円未満 | 年20% |
| 10万円以上100万円未満 | 年18% |
| 100万円以上 | 年15% |
この上限を超える利息は民事上無効になります。実際の金利は、この範囲内で各社が設定します。上限が同じでも、適用される金利は商品や審査で変わります。
「上限金利が年18%」という広告は、法律の範囲内に収まっているという意味でもあります。低いという意味ではありません。
返済の仕組みも違う
キャッシングは、カードの利用代金と一緒に引き落とされることが多く、返済額の指定ができない場合があります。リボ払いの設定になっていれば、元金は少額のまま長く残ります。
カードローンは、毎月の返済額をコースから選べるものが一般的です。ただし、返済額を低く設定すると完済までの期間が延び、利息が増えます。この関係は返済シミュレーションで具体的に計算しています。
遅れたときの扱い
返済が遅れた場合の遅延損害金も、商品ごとに決まっています。JCBはリボ・分割の遅延損害金を年14.60%としています(一部カードを除く)。キャッシングの遅延損害金は、カードの契約内容によって異なります。
遅延が長期化すると、信用情報に事故情報として登録される可能性があります。詳しくは支払いが遅れたらどうなるかで整理しています。
どちらを選ぶか
キャッシングが向いている場合
すでにカードを持っていて、数万円を短期間だけ借りたい場合です。申込の手間がなく、ATMですぐ借りられます。ただし金利はカードローより高めの設定が多いです。
カードローンが向いている場合
まとまった額を、返済計画を立てて借りたい場合です。返済額を選べるので、毎月の負担を設計しやすくなります。専用の契約なので、限度額も大きくなる傾向があります。
銀行カードローンが向いている場合
時間に余裕があり、金利を抑えたい場合です。総量規制の対象外ですが、審査には時間がかかり、即日融資には向きません。
よくある質問
キャッシングの枠が残っていれば、審査なしで借りられますか?
枠の範囲内であれば、追加の審査なしで借りられるのが一般的です。ただし、限度額の増額には審査が必要です。
カードローンのほうが金利は安いですか?
一概には言えません。商品や審査で決まるため、同じ会社でも商品によって異なります。金利だけでなく、返済額と期間の組み合わせで比べてください。
両方を使うことはできますか?
できますが、合計の返済負担は増えます。キャッシングは総量規制の対象なので、カードローンの残高と合わせて判定される場合があります。
「審査なし」のキャッシングはありますか?
ありません。貸金業者には返済能力の調査が義務づけられています。「審査なし」をうたう業者は、貸金業の登録がない可能性があります。
金利の差が総額に与える影響
「上限金利18%」の商品と「15%」の商品で、1年間借りた場合を比べます。
| 借入額 | 年18% | 年15% | 差 |
|---|---|---|---|
| 10万円 | 18,000円 | 15,000円 | 3,000円 |
| 30万円 | 54,000円 | 45,000円 | 9,000円 |
| 100万円 | 180,000円 | 150,000円 | 30,000円 |
残高が動かない前提の概算ですが、金額が大きいほど差は広がります。ただし、金利の低い商品は審査が厳しい傾向があります。通らなければ意味がないので、まず通る会社を選ぶのが現実的です。
申し込む前のチェックリスト
- 必要額はいくらか(余裕分を足しすぎていないか)
- 毎月返せる額はいくらか
- 他社の借入は残っていないか
- 総量規制の枠に収まるか
- 返済額を選べるか
この5つが決まってから申し込むと、限度額が足りない・返済が苦しいといった問題を避けられます。
キャッシングを使うときの注意
キャッシングは手軽ですが、返済額を指定できないことが多く、残高が減りにくい仕組みです。気づかないうちに残高が残り、利息が発生し続ける状態になり得ます。
使うなら、次のどちらかを決めてからにしてください。
- 翌月の一括返済で終わらせる
- 使った金額と返済予定をメモし、繰上返済で早めに減らす
「なんとなく使って、なんとなく返す」が、最も利息を増やす使い方です。
自分のキャッシング枠を確認する方法
キャッシング枠は、カードの利用明細や会員向けWEBサービスで確認できます。確認しておきたいのは次の3つです。
- キャッシングの利用可能額(ショッピング枠とは別)
- 現在の借入残高
- 次回の返済日と返済額
「カードの限度額=現金を借りられる額」ではありません。ショッピング枠とキャッシング枠は別々に設定されており、キャッシング枠が0円のカードもあります。
両方を使う場合の返済順序
キャッシングとカードローンを併用する場合、返済の順番で総額が変わります。
| 優先順位 | 理由 |
|---|---|
| 1. 金利の高いほう | 同じ返済額で、より多く利息を減らせる |
| 2. 返済日が近いほう | 延滞を避ける |
| 3. 残高が小さいほう | 完済して管理する対象を減らせる |
原則は1番です。ただし、返済日が迫っているものは延滞を避けるため先に払います。延滞すると遅延損害金が加わり、金利差より大きな損失になるためです。
「借り換え」という選択
キャッシングの金利が高いと感じるなら、カードローンへの切り替えが検討できます。金利が下がれば利息は減りますが、審査があり、必ず通るとは限りません。
また、切り替えても借入総額は減りません。返済の負担を軽くする効果はありますが、根本的に減らすには返済額を増やすか、期間を短くする必要があります。
まとめ
- キャッシングはカード付帯の借入。総量規制の対象
- カードローンは専用契約。相手が銀行なら総量規制の対象外
- 金利の上限はどちらも利息制限法で年15〜20%
- 返済額を選べるのはカードローン
- 短期・少額ならキャッシング、計画して借りるならカードローン
会社選びの軸はカードローン3社比較、必要な書類はカードローンの必要書類でまとめています。


